ただいまぁ

形あるものはいつか…

ある日、母親からきりだされた話、

「お母さん、お父さんと離婚しようと思うんや」

呆然んとした、

中学3年の夏、その当時母親のことが嫌いだった。

反抗期だから、

顔も見たくなかった、

まさか本当に顔を見ることがなくなるとは思わなかったが、

「そうなんや…、わかった」

返す言葉はこれが限界。

どこから湧いてくるのかわからない悲しさ、寂しさ。

扉を閉め泣いていた。

こんな日が来るなんて。 

「お母さんについてきてもいいんやで」

父親とは血の繋がった親子、

でも父親のことは殺したいほど憎んでいた。

だけど父親のほうに残りたかった。

母親は、違う。

血は繋がっていない

将来のこと考えたらついていけない。

返事は濁した。

はっきりと言葉にできなかったし、傷つけるだけだから。




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