シオン【完結】
「……」
「ふふ、おめでとう、久美」
「…りょ、う、すけも。私の、も。あるんだ、から」
「あはは。うん。とりあえず、バスタオルいい?」
「うん、はい」
目を擦りながら、俺にバスタオルを手渡す。
ゴシゴシと体を拭き、洋服に着替えるとまだネックレスを大事そうに抱える久美を抱き締めた。
「その顔が見たかったの」
「うん」
「毎年、どんなモノをあげてもそうやって喜んでくれる久美が好き」
「…う、ん」
「来年も、これからもずっと、こうやってプレゼントあげさせてね?」
「ふふ、うん」
「大好きだよ、久美」
「りょぅっ、髪の毛」
「無理です」
強引に唇を奪うと、俺は久美を抱きすくめる。
最初は抵抗していた久美だったけど、段々とその力が抜けて行く。
それから、甘い一時を俺と久美は過ごした。