シオン【完結】
「んっと、簡単に言うと過去にお兄さんが戻れるんだ。
そんでやり残した事とかを、やれちゃうってわけ!それがボクの成長にもなるし」
「……全く、意味が…」
「わからない?ええ、お兄さん、おバカなの?
すっごい簡単に言ってるじゃん。
まあ、やらないって選択肢もあるからそれでもいいけどね」
「……」
「でも、お兄さんには戻りたい過去があるんじゃないの?」
「!!」
流し目で見られた俺は、ドキっとした。
くりっとしたその瞳に、心の中を見透かされた様だった。
戻りたい過去。
もちろん。頭に浮かぶのは祥太郎。
祥太郎は俺の目の前で死んだ。
…もしも、呼び止めていたら助かったかもしれないんだ。
あの、事故が起こらなかったかもしれない。
そう、思わない様にして来た。
だけど、もしも。
もしも、やり直せるのなら。