シオン【完結】

男の子は腕を組みながら


「まあ、その二つの世界が大きく違う人にとったら今の世界が良いモノでなければ発狂したくなるよね」


嬉々として話す。

その笑みはどこか、他人の人生を面白おかしく感じてる様に見える。


「あ、最後に重大な約束ね」

「…まだあるのか?」


男の子は人差し指を立てると、ハッキリと言った。


「生死を変えようとしたら、必ず大きな代償がある」


それに、ドクンと心臓が変な音を立てた。


「…代償、って?」


動揺を悟られまいとして尋ねるが、その声が震えている。
そんな俺をわかってか、わかってないのか、男の子は手をひらひらとさせるとあっけらかんと答えた。
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