裏アリ男子にご注意ください!



そのあとあたしは無言でお弁当を食べた。



キーンコーンカーンコーン───。



チャイムよ鳴れー!と心の中で念じていると、本当にチャイムが鳴った。



再びありがとう、神様……!



「それでは、さようなら!」



あたしは神様に感謝をして、屋上から出ようとする……けれども。



「待て」



まるでペットに命令する飼い主のような口調で、都築くんがそう言ってきた。



「……ハ、ハイ」



ガクガクガク、とぎこちなく振り向く。



いったい、なんの用なんだろう。恐ろしい……!



ジッと都築くんを見ると、彼はプッと笑った。



「そんなに見つめなくても。なに、俺の顔がかっこよすぎて見とれちゃた?」



「ちっがーう!」



なんなのそのナルシスト発言は!



っていうか、あたしがかっこいいと思うのは安田くんだけなの!



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