不機嫌な彼のカミナリ注意報
「お疲れ」

「お、お疲れ様」

 真那たちと別れ、マーケティング部まで戻ってくると、廊下でバッタリ藤野くんと出くわした。

「楽しそうにお昼ご飯を食べてたね」

「え?」

「さっき社食で見かけたから。総務の子たちと一緒だった?」

「うん、そうなの」

 お喋りというより、軽く取調べを受けていたのだけれど。
 噂の真相調査とでもいうべきか……。

「もうずいぶんと緒川さんはうちの部に慣れたし、総務にいた頃がすごく昔みたいに感じるよな」

「……そう?」

 どこか昔を懐かしむような藤野くんに、私は曖昧に返事を返す。


< 102 / 303 >

この作品をシェア

pagetop