不機嫌な彼のカミナリ注意報
 大きく伸びをして辺りを見回すと、残業していたほかの同僚たちはほとんど帰宅したみたいで、数人が残っているだけになっていた。

 私も取り掛かっていた仕事が一段落ついたので、今日は帰宅することにした。
 なにげなく風見さんのほうをチラっと見てみると、難しい顔をしてパソコン画面を睨みつけている。
 なにか手伝えることがあればいいけれど、私が居ても役にも立てそうにないなと、言葉をかけるのをやめた。

 私はデスクの上を片付けて帰り支度を始めた。
 その時ふと、隣接されたミーティングルームが視界に入った。

 テーブルと椅子だけが置かれた小さなその部屋は、マーケティング部の人間誰しもが気軽にミーティングなどに使う場所だ。 
 なぜかそのミーティングルームから明かりが漏れていた。
 定時を一時間半も過ぎたこの時間に、誰か使っているのは珍しい。

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