不機嫌な彼のカミナリ注意報
 営業部の『拡大営業会議』が近いから、もしかしたらこの時間では誰かが使っているのかもしれないけれど。
 単純に照明の消し忘れだったらまずいので、ついでに確認しておこう。

 椅子から立ち上がってミーティングルームに近づいていったものの、扉の前まで行くと部屋の中から人の気配がした。

 なんだ、誰かが使ってたのか。ノックする前に気づいてよかった。
 そう思い、踵を返して立ち去ろうとしたときだった。

「もう~……やだぁ……」

 部屋の中から薄っすらと、女性のそんな声が聞こえた。



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