不機嫌な彼のカミナリ注意報
***

 翌週の月曜日、異動した私はマーケティング部の一員になった。
 少し早めに出勤した私は総務部に寄り、先週のうちにまとめておいたダンボールの荷物を持って新しい部署へ向かう。

 エレベーターでひとつ上の階に上がる。
 ポンという音と共に扉が開き、機内からフロアに出た瞬間、ふたりの男性の姿が見えた。

「部長! だからなんで俺なんですか?!」

 “部長”と呼ばれた人を見ると、マーケティング部の福田(ふくだ)部長だった。

 貫禄があって、恰幅の良い五十代の人だ。

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