不機嫌な彼のカミナリ注意報
「まぁ、いいじゃないか。君のチームにはこれから任せる仕事も増えるんだから。手となり足となり、手伝ってくれる人間が多いほうがいいだろう?」

「俺には必要ありませんよ!」

 ふたりは私の少し前をゆっくりと歩いている。
 部長は話を終わらせたいみたいだけれど、もうひとりが食い下がってる感じだ。

「困りますって! 総務から来る“役立たず”を、急に俺に押し付けられても!」

 …………え。

 それはもしかしなくても私のことでしょうか。

 しかも今、“役立たず”という言葉がはっきりと聞こえてしまった。

 
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