不機嫌な彼のカミナリ注意報
 チャッカマンで着火剤に火を着けてそのまま様子を見ていると、上手に組まれた炭にしだいに火が移っていった。

「あとは上手く炭を足していけば消えないだろう」

「ありがとうございます!」

 私が満面の笑みでお礼を言うと、風見さんはお茶のペットボトルに口をつけ、フンっと小さく鼻で笑ってどこかへ行ってしまった。

 風見さんは頑張ってくれたんだから休憩だ。
 これからは私ががんばって焼きそばの準備を進めなければいけない。

 向こうのコンロのほうを見ると、清瀬さんたちが網にお肉や野菜を置いて焼き始めている。
 煙と共にお肉の焼けるいい匂いがしてきた。


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