不機嫌な彼のカミナリ注意報
「いえ。私は服が濡れてるので後ろで。……な、なんならトランクでもいいくらいです」

 愛想笑いをしながら返事をすると、瀬戸さんは綺麗な顔でアハハと笑ってくれた。

「緒川さんって意外に面白いのね。笹岡くんがそう言ってたけど、冗談かなって疑ってたの。でも本当だったわ。面白い!」

「面白いか? 真面目なんだかバカなんだかわからん」

 風見さんの呆れた声が胸に突き刺さる。

 どうせ私はバカですよ。
 心の中だけで言い返し、私は静かに後部座席に乗り込んだ。

 瀬戸さんが助手席に乗り、シートベルトを締めたところで車が発進する。




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