不機嫌な彼のカミナリ注意報
「じゃあ、緒川さんを私のチームにちょうだいよ?」

「……は?」

「良かったら私が部長に言うわ」

「それだとうちの手が足りなくなる」

「だったら、代わりに清瀬さんをそっちに行かせる? 笹岡くんが恋人と同じチームになれて喜びそうよね。彼、仕事を忘れて公私混同しちゃいそうだけど」

「やめろ」

 まだ会話を続けたそうな瀬戸さんを制するように、風見さんの冷たい声がその言葉を遮った。
 しばし流れる沈黙がその場の空気を凍らせる。

「……どうしたの? あのふたりが付き合ってるなんてみんな知ってることじゃない」

 車が信号待ちで停車すると、風見さんがハンドルを左手でトンっと叩いた。


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