不機嫌な彼のカミナリ注意報
「よくわからないけど……あのふたりを快く見守ってあげましょうよ。美男美女でなかなかお似合いじゃないの」

 瀬戸さんはそうやってまだ言葉を続けたけれど、風見さんはムスっとしたまま、その話題を避けるように黙ってしまった。

 瀬戸さんでも、風見さんの不機嫌スイッチを入れてしまうこともあるのだ。
 なにがきっかけでスイッチが入るかわからない。

 しばらく走ると車は住宅街のほうへ入って行き、とあるマンションの前で停車した。

「ありがとう。助かった」

 瀬戸さんが言葉をかけて助手席のドアを開ける。

「緒川さん、お疲れ様。また月曜日に」

「はい。お疲れ様でした」

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