不機嫌な彼のカミナリ注意報
 風見さんの言うことは間違っていない。
 たしかにふたりがホテルから出てきたわけでもないし、ご飯を食べに行ったくらいで付き合ってるのどうのと騒ぐのも違うと私も思う。

 ご飯を一緒に食べたというなら、私だってその条件には当てはまるのだから。

 そうか、ふたりはなんでもないのか。
 ただの同期………なんていい響きなんのだろう。

 私の胸に刺さってたトゲが取れて、どんどんチクチクが消えていく。

「さ、帰るか」

「はい」

「ん? お前、震えてる? 寒いのか?」

 私の様子に気づき、驚いたように風見さんが顔を覗き込んでくる。
 その拍子に、私は掻き抱くように自分の腕を擦ってしまった。
 実は後部座席にいたときから、かなり体が冷えてきていた。

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