不機嫌な彼のカミナリ注意報
「頭がやられてるのは前からだよな」

 こんな憎たらしいことを言う風見さんだって、愛しく思えるのだから不思議だ。

 好きだと自分自身で認めたら、今、その気持ちが倍に膨らんだ気がした。
 風見さんと一緒にいられるなら、発熱も悪くない。

 そう考えていた矢先、車が渋滞を抜けて私の住むアパートへ近づいていく。

「ちょっと待ってろ」

 急にハザードをつけて風見さんが車を路側帯へ停めた。
 あわてて入って行ったその建物はドラッグストアだ。

 家に解熱鎮痛剤くらいならあったはずだけれど、こんなことなら先にそれを言えばよかった。



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