不機嫌な彼のカミナリ注意報
「喉が渇いたなら、これを飲め」

 私の姿を視界の端に捕らえた風見さんが、私に背中を向けたままペットボトルの飲み物をブラブラとチラつかせた。
 それは私がいつもなら買わない種類のスポーツドリンクだった。
 それと、ローテーブルの上にコンビニの袋が見える。

「え?! もしかして買ってきてくれたんですか?」

「まぁな。……鍵を返すついでだ」

 照れを隠すように、ぶっきらぼうにそう言う風見さんだけれど。

 私の心にはジーンと温かいものが染み渡っていく。
 きっと気をつかって買ってきてくれたのだ。

「食欲も出てきたんなら、なにか食っとけよ」

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