不機嫌な彼のカミナリ注意報
「未練は全くありませんけど……その人と付き合ったことで恋愛の難しさを知りました」
「……そうか」
「恋愛って、私が思ってたよりつらかったです。彼とは価値観が違うって、最初からわかっていたら付き合わなかったんですけど。付き合って、すっかり好きになっちゃってから気づいたので……」
「価値観?」
重苦しい空気になるのが嫌で、自虐的にヘラリと下手くそに笑ってみると、いつもの切れ長の瞳が横目で私をしっかりと捕らえた。
「ある日、彼の家に遊びに行くと口紅が置いてあるのを見ました。……リビングのテーブルの隅に」
「………」
「洗面所のゴミ箱にはホテルのアメニティみたいな化粧水や乳液やメイク落としのゴミがあったんです」
「もういい。大体わかった」
話の先が読めたと言わんばかりに、風見さんが眉間にクイっとシワを寄せる。
だけど私はその当時の記憶が鮮明に蘇ってきてしまい、太ももの上で拳をギュッと固く握り締めた。
「……そうか」
「恋愛って、私が思ってたよりつらかったです。彼とは価値観が違うって、最初からわかっていたら付き合わなかったんですけど。付き合って、すっかり好きになっちゃってから気づいたので……」
「価値観?」
重苦しい空気になるのが嫌で、自虐的にヘラリと下手くそに笑ってみると、いつもの切れ長の瞳が横目で私をしっかりと捕らえた。
「ある日、彼の家に遊びに行くと口紅が置いてあるのを見ました。……リビングのテーブルの隅に」
「………」
「洗面所のゴミ箱にはホテルのアメニティみたいな化粧水や乳液やメイク落としのゴミがあったんです」
「もういい。大体わかった」
話の先が読めたと言わんばかりに、風見さんが眉間にクイっとシワを寄せる。
だけど私はその当時の記憶が鮮明に蘇ってきてしまい、太ももの上で拳をギュッと固く握り締めた。