不機嫌な彼のカミナリ注意報
「その男、ほんっとに間抜けというかなんというか……。浮気の証拠をよくもそんなに堂々と置いとけるよな。浮気はもちろん良くないが、せめて証拠くらい隠滅しとけよ」

「彼にはそれを隠す気なんて最初からなかったんです」

「は?!」

 なにを言ってるんだ?と、風見さんが私に怪訝な表情を向ける。
 イラつきを含んだ表情なのに、私は目が合ってキュンとした。

「怖かったけど、誰か女の人が来たの?って彼に思い切って聞いてみました。そしたら彼、『昨日来て泊まった』ってアッサリ言うんです。全然悪びれもなく」

「………」

「前日に違う女の人と浮気してたことに腹は立ちましたけど……でも、彼があまりにも堂々としているのが不思議でならなくて。私のほうが遊び相手だったのかと思って尋ねたら、『誰が本命で、誰が遊びでもない。みんな同じだよ』って返事だったんです」
< 220 / 303 >

この作品をシェア

pagetop