不機嫌な彼のカミナリ注意報
 ビックリした。
 二度目の怒号は、一度目よりもさらに大きく響き渡った。
 たちまち風見さんはオフィスに居た人たちの注目の的になってしまう。

 私と笹岡さんはなにが起こったのかわからず唖然とするしかない。
 風見さんは怒り心頭なのか、眉間に激しくシワが寄って顔が紅潮している。

 そして瀬戸さんは………
 まるでなにもなかったみたいに薄っすらと笑みを浮かべていた。

 怒っている風見さんも怖いけれど、それ以上に瀬戸さんのほうが今は不気味だ。

「瀬戸、お前がこんなに気遣いのないバカだとは思わなかった」

「え? 今のはわざとよ?」

「いい加減にしろよ!」

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