不機嫌な彼のカミナリ注意報
「あはは。緒川さん、違うの」

 風見さんの言葉を聞いて難しい顔になった私を、瀬戸さんが綺麗な笑みを浮かべて笑い飛ばした。

「風見くん、その件はもういい。緒川さんはうちのチームにすごく欲しいけど諦めるわ」

 今まで揉めてたなんて思えないほど、瀬戸さんがサバサバとそう言い切った。
 そう言われた風見さんも、訳がわからないというように唖然としている。

「なんだよ、いきなりだな」

「あら。下心を引っ込めろって言われたからそうしたのよ?」

「…………」

「だから今日は楽しく飲みましょ」

 誰に対してもあせったり臆したりしないはずの風見さんを、巧みに翻弄させている瀬戸さんは侮れないどころか、やはりすごい人だ。

 同期だからこんなふうに言い返したりできるのだろうか。
 いや、瀬戸さん自身がきっと強い精神の持ち主だからだ。

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