不機嫌な彼のカミナリ注意報
「だい……じょうぶです」

「あほか。そんなこと言っても説得力ないわ」

 言っている言葉は乱暴なのに、その言い方と声色にやさしさが溢れていて……

 そういう態度を取られると、やっぱり好きだなと確信してしまう。

 風見さんの傍にいたい。その瞳に映りたい。
 その手でまた、触れてほしいと願ってしまうから……
 
 悲しくて、切なくて、胸が張り裂けそうに苦しい。

「笹岡も瀬戸も心配してる」

 ずっと堪えていたから、今言われた言葉が原因ではないのに、また両目から涙が零れ落ちてしまった。

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