不機嫌な彼のカミナリ注意報
 私の上に覆いかぶさる風見さんからは、男の色気が漂っている。

 初めて見た裸の上半身は、均整が取れていてとても綺麗だ。

 身体をやさしく愛撫され、ひとつになると、――― 本当に幸せな気持ちになれた。


「で、結局お前はあれだな。……妬いてたわけだろ?」

 ベッドで腕枕をしながら私の髪を指先で弄び、風見さんはクスリと笑いながら額にキスを落とした。

「や、妬くって……誰にですか?」

「友達の、夏野に」

「妬いてませんよ」

「嘘つけ」

 風見さんがおかしそうにしながら笑うのを堪えている。
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