不機嫌な彼のカミナリ注意報
「告白する女子社員、けっこういるみたいですよ。私はあのタイプは絶対にナシなんで、ありえないですけどね」

「私もないわ。ぜーーーったいに無理!!」

 也実ちゃんの言葉にかぶせるように、真那が気持ち悪いものでも見たかのような苦い表情をして言った。

「でも、これでちょっとわかったよ。どうして風見さんがあんなことを言ったのか」

 あんなに無愛想で口が悪くても、好きになってしまう女の子がいるのだ。
 だから風見さんは私に、初日に釘を刺してきたのだろう。

「あの男、ちょっとモテるからって調子に乗るんじゃないわよ!」

 憤慨した真那が吐き捨てるように言うから笑ってしまう。

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