不機嫌な彼のカミナリ注意報
 ギロリと切れ長の瞳が私に突き刺さる。
 それだけで軽く恐怖だったけれど、私は意を決して口を開いた。

「わ、私はマーケティング部の中で一番新人です。慣れなくて、迷惑をかけることもあるかと思います。それはチームの違う清瀬さんにも。だから、助け合いの精神というか……私でお役に立てることがあるのなら協力したいんです」

「お前は大バカだな!」

「!……お、大バカって、酷いです!」

 いくら上司といえども、酷い言われようだ。
 同じ部署の人の役に立ちたいと思うことの、なにがいけないのかと思う。

 冷静さを保つため、膝の上で両手の拳をギュッと握った。


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