不機嫌な彼のカミナリ注意報
「さらにもう一人いるのよ!」

 こっちのほうが厄介だとばかりに、真那は鼻息荒く舞花にズイっと顔を寄せた。

「舞花もこの人は絶対知ってるわよ」

「え、誰?」

風見 太雅(かざみ たいが)

「あー! うんうん。あの人、マーケティング部だったよね」

 これには少し驚いたのか、舞花の表情があきらかに変わった。

 それにしても、社員数の多い我が社で、仕事では接点のない受付の人間にまでその名を轟かせている“風見さん”とは、いったいどんな人物なのか気になってきた。

「風見さんのこと、舞花も知ってるんだね。実は私、全然知らないの」

 そんなに有名人なのに、なぜ私だけが知らないのか不思議だ。

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