鈴姫伝説


霊力だ……。

ゆきなも、なにか特殊な……。



ゆきなの氷は再び、魔物を拘束する。


凄い……!



「お姉ちゃんっ!!今!!」



ハッと一瞬油断していたあたしの意識は彼女の声で現実に引き戻される。


軽く地面を蹴ると、あっという間に木の葉が頭上になっていた。


あたしはそのまま封印の鈴を握り締め、目をつぶる。



(魔物を、浄化、して……)



霊力が放出されていく。


光の雨があたしたちの上へと降り注ぐ。




「グアア、ギッッ!!」



魔物の苦しむ声。

それはわずかにあたしの心に傷を付けていく。

光の粒子が、キラキラと反射して暗い世界が少しだけ、明るくなった気がした。


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