美狐はベッドの上で愛をささやく
「邪魔なんだよ、お前ら……クヒヒ。俺のモノだ。
コイツは俺だけのモノだ!!」
なぜかわからないけれど、暗がりでも男の人の顔がはっきりと見えた。
いくつもの皺(シワ)が入ったデコボコした顔。
血走った眼と長い舌は、血のように真っ赤だ。
それに……口にはダラリと唾液が垂れ流しになっていた。
男の人の声は大学生くらいだと思っていたのに、姿を見ると老人のように深い皺が目立つ。
その顔は、この世のモノとは思えないほど悍(オゾ)ましい表情だった。
これは……。
「お前の魂も、体も……全部俺のモノだ……」
『たましい』
たしかに聞こえたその言葉に、わたしは息をのんだ。
だって、だって……それを言うのは霊体だけだ。
まさか……。
わたしは、目の前からいなくなった男の人ふたりを探して顔を左右上下に視線を向ける。