美狐はベッドの上で愛をささやく
こんなことを訊いて、もし違っていたなら、とても失礼な奴だと思われるかもしれない。
嫌われてしまう……。
父と似た雰囲気の男の人に嫌われるのは、とても悲しい。
だけど、言わなければ何もわからないままになってしまう。
それに、さっき会ったばかりの人だし、わたしとは接点はない。
別に嫌われてもいいじゃない。
自分に言い聞かせるのに、やっぱりこの人に嫌われたくないと思ってしまう……。
わたしは複雑な思いを抱きながら、一度閉ざした唇をもう一度開け、言葉を紡ぎだす。
「あなたは霊能力者か何かですか?」
「え?」
「あ、あの……わたし……実は……霊媒体質で……」
ここまで言って口を閉ざしてしまう。
だって、わたしを綺麗だと言ってくれた人だけど、やっぱり気持ち悪いって、そう思われるのが怖いから。
――季節は夏。
今はけっして寒いわけじゃない。