俺様王子と2℃の恋
 逃げる私を感知したのか、樹は踏み込んだ私をグッと握って離してくれない。

「ごめんなさい、本当に離して!」

「まてまてまて、待て!」

 こういうやり取りをしてしている間も“おねーちゃん”は「おー」と言いながら私たちを見ている。

 いや、私たちというより、樹が私を掴んでいる箇所を見ている。

 どうやら彼が女の子を触っていることが、よっぽど珍しいらしい。
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