可愛いなんてバカらしい
「ちょっ!何すんだよっ!」


「名前名乗っちゃダメだろ!叫んだの真琴ってバレたぞ!?」


階段をかけ降りていった俺たちはそのまま教室に戻った。


そして、今海斗の説教中。


授業はまだ始まってないが海斗の説教のほうが辛い気がする。


こいつ、長げぇんだもん。


授業が始まっても続きそうだぜ....。


お母さんみたいな雰囲気を醸し出している海斗は端からみたら案外面白いかもな。


「お前なぁ、ちょっと危機感持てよ~。あいつら柄悪いって有名だ。って俺、ちゃんと言ったでしょ!」


「わざと言ったんだよ。
しかも、部活に入ってんだから、悪さはしねぇって。」


それと大丈夫な理由がもう一つ。


俺がこの高校に入ったときにあいつらは一回絞めてる。


これは海斗には内緒にしてたつもりだけど知ってるだろうなぁ。


「部活に入ってたって、バレなきゃやりたい放題だろ!?」


まぁ、海斗の言ってることも一理あると思う。


だけど、生徒会長が絡んでると思うと、どうも腑に落ちない。


「ま、なんとかなるって。」


俺が海斗にそう言い終わった瞬間、廊下から弱そうな声がした。


「ま、真琴さぁ~ん.....。」


廊下に出てみるとさっきの野郎が来ていた。


「ほら!言ったじゃねぇか!俺は知らねぇからな!」


海斗が教室の奥の方で青ざめながら言った。


あんだけ言っといて結局逃げるのかよ。


女か、お前は。


「真琴さんはどこだ。」


「あぁ?俺が沢谷真琴だ。.....で、何の用だよ。」


俺がそう言って睨みつけると、男どもはやけにビクついて俺に謝ってきた。


「え?あなたが真琴さん....?
え、ちょ、可愛い....。ってそんなこと言いたいんじゃなくて...!
すいやせんでしたぁあああ!
まさか、真琴さんなんて知らずに俺ら反抗しちっまって...!!」


え?


なんだ、なんだ?


こいつらわざわざ謝りきたのか?


俺に?


馬鹿か。


俺に謝る前に他に謝るやついるだろう。


「生徒会長には謝ったのかよ。」


俺の気迫にビビったのか、男どもが慌てて言った。


「ま、ま、まだですけど、絶対謝りますんで!」


俺はその返しに腹がたった。


「....てめぇら、それでも男かぁ?
女に手ぇあげたんだぞ?!
一番最初に俺に謝りに来てんじゃねぇよ!
退部にすんぞっ!
行けッ!」


男どもは慌てて走っていった。
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