可愛いなんてバカらしい
「えーっと、じゃあ誕生日いつですか?」


「2月4日!」


生徒会長は顔を輝かせた。


「わぁ!私もです!」


「マジで?!」


うおぉぉおおお!運命感じるぜぇ!


「お祝いしますね♪」


「俺も!」


生徒会長との距離が少しだけど縮まった気がする。


「えーと、次はぁ.......血液型は?」


「A型!」


とまぁ、色んな質問を受け、いつの間にか休み時間が終わり、合図のチャイムが鳴った。


「あ!やだ!チャイム鳴っちゃった!!!」


生徒会長は慌てて立ち上がった。


その時の自分の行動は自分でも驚いた。


無我夢中だったのかもしれない。


生徒会長ともっと一緒にいたい。


話していたい。


そんな俺の欲望に負けた。


「沢谷く......ん?」


生徒会長は戸惑っている。


そりゃ、そうだろうな。


急に抱きつかれたら誰だって驚くよ。


でも、抑えられない。


俺の欲望は増し、さらに強く生徒会長を抱きしめる。


「沢谷くん......私、授業出ないと....」


もう生徒会長の声も聞こえないくらいに欲望に飲まれていた。


「.......沢谷くん.....」


生徒会長は何回も俺の名前を呼んだ。


「......放して....下さい。」


生徒会長の拒否反応に俺の体は激しく反応した。


「........!ごめん!急に抱きつかれたら嫌だよね....!」


生徒会長に嫌われた.....!


そう思った。


でも、生徒会長の顔は違った。


林檎のように赤く、少し汗が出てる。


「えっと、その、嫌じゃなくて....その....嬉しかった....んですけど......その.....心臓がもたなくて.....」


生徒会長はさらに顔を赤くして、顔を隠した。


その行動は可愛くて愛しくて、俺は理性を保ったまま生徒会長に言った。


「キス.......していい?」
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