可愛いなんてバカらしい
万里は屋上にいるらしい。


Twitterに「屋上で早弁ナウ」という投稿があった。


そのTwitterに流されるように屋上に向かった。


階段は一段飛ばしで駆け登った。


「ハァ........ハァ....」


無駄に体力を消耗した気がする。


勢いよくドアを開ける。


情報通り、そこには膝に弁当をおいて早弁してる万里がいた。


ドアの音に少し驚いたようだ。


「おー....本当にいた....。」


「.......なに?」


「へ?え、あぁ、えーっと....」


避けられてる理由を聞いたところで俺はどうにかできるのか?


万里は元通りに接してくれるようになるのか?


「......用がないんなら行くよ。」


「......あのさ....」


「なに?」


もうここまできたら聞くしかないか。


俺が避けられてる理由を直せばいい話だしな。


「なぁ、なんで俺のこと避けてんだ?」


「....またそれかよ。」


万里は立ち上がって、屋上を出ようとした。


「俺、なんかした?」


万里はなにも言わず、階段に向かい続ける。


「生徒会長は知ってるよ。」


足が止まった。


生徒会長の言った通りだ。


この言葉にどんな意味が込められてるんだろう?


「....そりゃ、気づくよな。生徒会長だし。」


何に気づくんだ?


「俺さぁ、お前と同じなんだよ。」
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