Schneehase~雪うさぎ
身代わり王子にご用心番外編
「はい、出来上がり! 後は出来たらドライヤーで冷風を当てるのもいいけど」
桃花はバスタオルを畳みながら、何がおかしかったか唐突に吹き出した。
「ふふっ……高宮さんのキライなモノ3つ目ね。1つ目は梅干し、2つ目は針、3つ目はドライヤー……ふふふっ」
「……笑うな」
好きな女性に笑われてしまうのは、男として密かに傷つくし不本意ではある。
けれど、彼女のかわいい笑顔が見られたならそれくらいはいいか……と思うオレは頭がお花畑かもしれない。
ムスッと拗ねたふうを装おってみれば、桃花はますます声を上げて笑う。誘われてこちらも笑いたくなるのを堪えながら、やはり彼女には笑っていて欲しいと思えた。
桃花には、笑顔が似合う。名前の通りに春に咲く桃の花のように、彼女の笑顔には人を幸せにする力がある。
そのまま笑顔をずっと見ていたい気持ちもあったが、さすがに笑われっぱなしは癪だ。だから、お仕置きを決定する。
(きみがかわいすぎるのがいけないんだ)
笑う桃花の肩を軽く押し、ぽふんとベッドに倒す。あれれ? ときょとんとした顔をする彼女が堪らなくて、言い訳をするようにひと言だけを口にする。
「……笑うな、と言った」
そして、桃色の彼女の唇に軽いキスを落とした。