Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編



「は?」


翌日、きょとんとした顔でヴァルヌスの首都にあるカッティエ駅に立つ雪菜がいた。


ちょっと自然を堪能する小旅行に行きましょう、と彼女を誘ってみたが当然渋ったので、ワインを少量→別人化した雪菜を飛行機に乗せ→彼女は長時間のフライト中に飛行機で爆睡→乗り換えて数度目。ようやく目を覚ました彼女が呆然としていた……という訳だ。


「ちょ……って! ここ、外国じゃないか! 一体どういうことだよ!!」


激昂した雪菜は私の胸元をがっしり掴む。それを見たSPが彼女を引き剥がそうと動くが、私はそれを視線で制した。


「はい。あなたが希望したのでお連れいたしました」

「お連れしましたって……あたしは頼んでない!」

「そうですか? これはあなただと思いましたが」


私がタブレット端末でとある動画を再生すると、瞬時に雪菜が固まる。


『……もちろん、うさぎは雪うさぎがいますよ。雪が降ればそれは見事な白いふわふわの毛になります』

『ほんと!? 見たい! 雪うさぎ見たい~他の動物も見たいな~動物、裏切らないし差別しないもんね~いいな~行きたい……あるべると、連れてって』

『いいですよ。あなたが良ければ今すぐにでもお連れしましょう』

『ホントにぃ~? 嬉しいにゃ~じゃあ連れてって……にゃあ』


「ぎゃああああ、なんだこれ! やめろ! そんなの今すぐ消せ!! 速攻抹殺しろ!!」


雪菜はすごい顔で、タブレット端末を取ろうと必死になって腕を伸ばすが。私はヒョイとそれを持ち上げると他の人間に渡した。


「なぜですか? とても可愛らしいあなたです。消す訳にはいきませんよ」


ピキッ……と雪菜がその場で固まって、見る間に耳まで真っ赤に染まった。


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