イチジク
「へぇー」
別に興味ない。
「なぁー、梓」
「ん?」
「これから毎日倉庫に来い」
「うん」
嬉しかった。
居場所がない私に倉庫に来いって言われた事が。
「なぁ、梓。お前は何でブラブラしてたんだ?ナンパ待ちでもねーみてーだし」
「私、家にいたくないの。居場所がないの。親にも必要とされてない。」
「そうか」
「なら、ここにいればいい。ここなら風呂やベッドなんでもある。」
「いいの?」
「あぁ。かまわねーよ」
和希にそう言ってもらえたこと全部が嬉しかった。
和希が私の居場所を作ってくれた。
私は夏休み中毎日きた。
日に日に行くうちに皆と仲良くなった。