ナイト!
理事長は急かすようにあたしと茅野くんを呼ぶ。
茅野くんは理事長に反抗することもなく、素直に従っている。
靴を履き替えて校門へ近づくと、明らかに怪しい黒い高級車。
「はよう、来ぬか」
理事長も茅野くんも、躊躇することなく車に乗り込む。
「…………」
あたしもそっと乗り込むと、中にいるのは理事長と茅野くんだけではなかった。
「………なんだ?」
「…いえ……」
南雲くんがいた。
「では出発じゃ」
明らかに異質な空間で、理事長だけが元気だった。
「そうそう、お主ら今度全国模試があるが、今回も頼むぞ、我が校の名誉のために」
全国模試…そういや、夏休み明けすぐにあるんだっけ。