さくらへようこそ
「やけに態度が違い過ぎるんじゃないか…」

安部が毒づくように呟いた後、息を吐いた。

「あなたの誕生日は4月25日であっていますか?」

そう言った達也に、
「どうして知っているんですか!?」

美桜は驚いたと言うように聞き返した。

達也とは初対面のはずだ。

なのに、どうして彼は自分の誕生日を知っているのだろう?

「実は俺のところで働いていた従業員がここ『ニコニコ横町』に、生き別れになった我が子がいると言ってきたんです」

達也が言った。

「ええっ…」

「マジかよ」

美桜と安部の声がそろった。
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