さくらへようこそ
そう思った美桜に、
「俺が名古屋にいた頃、タツヤの世話になったんだ。

あいつン家がクリーニング店だから、よくシャツの洗濯のお願いをしていたんだ」

忍は答えた後、カウンターの椅子を指差した。

「ここ、座っていい?」

「いいけど…」

「お客さんがきたらすぐ帰るから」

忍はそう言うと、椅子に腰を下ろした。

「さっきあげたゼリーだけど、美桜ちゃんが好きなぶどうゼリーも入ってるから」

そう言った忍に、
「じゃあ、冷蔵庫で冷やしていただくわ」

美桜はゼリーを袋から出すと、冷蔵庫に入れた。
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