さくらへようこそ
美桜がカバンからスマートフォンを取り出したので、
「撮ってあげようか?」

忍が声をかけた。

「頼んでもいいかしら?」

そう聞いた美桜に、
「お安いご用です」

忍は得意気に笑った。

「真ん中のボタンをタップすると撮れるから」

美桜はカメラ機能に設定したスマートフォンを忍に渡した。

「わかった」

忍は首を縦に振ってうなずくと、美桜の手からスマートフォンを受け取った。

「えーっと…この辺でいいかな」

撮る位置を確認すると、美桜の手から受け取ったスマートフォンを彼女に向けた。
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