さくらへようこそ
「あら?」

美桜はタオルと皿を置くと、カウンターを出てドアの方へと歩み寄った。

カチャッと、少しだけドアを開けると、
「雨だ…」

呟いた。

「雨ですか?」

後ろから輝が声をかける。

「ええ、雨が降ってきたみたい」

美桜はパタンとドアを閉じると、カウンターの中に入った。

「参ったな…。

傘持ってきてないや…」

輝は困ったと言うように呟いた。

それから美桜の方に視線を向けた。

「寝るならテーブルの方ね」

自分が視線を向けたとたん、理解したと言うように即答した美桜に、
「何でわかったんですか!?」

輝は驚いた。
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