また、キミに逢えたなら。
シロー君からの着信。
ピッ
「もしもし……っ」
緊張しながら電話に出た。
ドクドクとうるさく響く鼓動。
震える手を必死に抑え込んだ。
「莉乃……?」
スマホの向こう側から聞こえたのは、懐かしくて優しい大好きなシロー君の声。
「う、うん。どうしたの?」
どこか元気がないようなシロー君の声に、不安がどんどん大きくなっていく。
なにか、あったの……?
体調でも悪いのかな。
「実は……」
シロー君の次の言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
気付くと体が勝手に動いていて、必死に自転車を漕いで病院に向かっていた。