被害妄想ダーリン

「てことは、
この旅行で最後やな。

お前、ちゃんと楽しめよ。」


「あ…はい。」


最後だって分かってて…
楽しめるのかな…


「ずーるーいー!」


「へっ!?」


私のまん前に立つチヨちゃん。
なんだか怒ってるみたい…


「私も慎一さんの隣座りたいー!!」


「あっ!ごめん!どうぞ!」


そう言ってその場を去る。


「あ、おい!
真知子……」


慎一さんが呼ぶのも聞こえずに、
私は自分の指定席へと走っていった。


修司くん…
この事知ったらどう思うかな…


「真知子!おかえり!」


ニッコリと笑う、美希。
もうすぐ、お別れなんだね…


「ジョージ!
僕の家のパティシエが作ったプリン食べるかい?」


「食べる!
プリン大好き!」


…仲良いなあ。


修司くんには黙っておこう。
修学旅行の最終日に話そう。


「真知子?
UNOせーへん?」


「する!」


最後の最後…
楽しまなきゃ!
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