好きとスキが重なった日
私は、すぐさま倒れ込んだ悠真の元へ近づくと、小声で私に、何かを語りかけようとしている悠真がいた。


「悠真、しっかりして!」

私の心配を他所に私の手を握ると、顔を青白くさせ、ぐったりしながらも、私の言葉にゆっくりと反応する。


「美莉亜…俺がもし死んだら、美莉亜は俺のことなんか忘れて、幸せになれ!

俺は美莉亜の幸せだけを願ってる………」


その後悠真の意識は途絶え、パタンと握っていた悠真の手がゆっくりと、床に倒れて行った。



「悠真、しっかりして!
ねぇ、悠真………」



私は悠真の体を揺り動かすが、ビクともしない。

悠真の意識がないよ・・・


どうしよう。このままだと悠真が…


由紀さんも、篠塚蓮も、精神状態がおかしくなったみたいに、憂鬱状態になっている。


私が何とかしなきゃ………。

まずは救急車・・・


「由紀さん!由紀さん!
救急車呼んで!

それと篠塚くんを見張ってて」


私の二度叫んだ声を聞いて我に返ったのか、すぐさま由紀さんは救急車を呼んで、篠塚蓮に寄り添った。



救急車が来るまで私が今しなきゃいけないこと。


まずは脈をとって、人工呼吸。
それから(胸骨圧迫)心臓マッサージ。


でも、一般の素人の人が人工呼吸や心臓マッサージをして、果たして良いものなのか?



心臓マッサージを一歩間違えれば、あばらの骨を折ってしまう可能性もある。
でも私が人工呼吸や心臓マッサージをしないと、悠真は助からない。






自分を信じれ!私なら出来る!


だって、悠真と私は運命の赤い糸で結ばれているんだよ?



そんな簡単に、私達を引き離したりしないよね…??






お願い、悠真を助けて。



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