好きとスキが重なった日
「俺の前からいなくなるな!」

後ろから声が聞こえ、振り返ようとしたら、誰かに腕を掴まれた。

人混みの波から、どんどん穏やかな波に変わっていく。


人混みに押し潰されていたからなのだろうか?
少し胸が苦しい。
もしかすると私、人混みに酔っちゃったかも。


「大丈夫か?」


そう優しく声をかけてくれたのは、藤木くんだった。
辺りを見回してみると、人混みのない静かな場所に連れて来てくれたみたい。


「うん…何とか大丈夫…」


「少し座って休む?
美莉亜ちゃん、顔色悪いよ」


「何かごめんね…迷惑ばかりかけちゃって…」


「何言ってんだよ!少しは俺を頼って?」


「うん!藤木くん、ありがとう!」


心配そうな眼差しを私に向ける藤木くんは、何も言わず私をベンチに誘導してくれた。

私を介護するように、優しく肩を支えてくれた。

そんな小さな事でも、私にとってはすごく嬉しいんだ。



私にとってすごく幸せだと思う出来事だった。


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