不機嫌主任の溺愛宣言

それはいつか忠臣が彼女に贈った愛の告白で。

あの時は『私は嫌な予感しかしません』と一刀両断された予感は、愛に全力疾走で奔走し続けたあげく、今、彼に返って来た。

「……ああ。君と毎日を暮らすんだ。幸せな予感以外するはずが無い」

忠臣は切れ長の目元を柔らかに細めると、優しく一華を抱きしめ今度は自分から深く唇を重ねた。

新しく甘いふたりの空間で交わされるキス。それはとろける程の幸せに満ちていて、唇を離した時お互いの顔は自然と湧き上がった笑みに綻んでいた。

「幸せにする、一華。必ず」

「その台詞はちょっと気が早くないですか?」

抱き合ったままふたりはクスクスと笑い合い、それから何度も何度もキスを重ねた。



前園忠臣35歳。不器用だけど情熱的な恋愛初心者。
姫崎一華をひたすらに愛するその男――まさに、溺愛。



【完】



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