【短】真夏のmystery kiss*+.
「あー、当時の野口ちゃんの彼氏って彼だったんだ!」
「そうそう」
「あれ、でもそのときの彼氏って結構すぐ別れちゃったよね?」
そう、あの2人は別れてしまった。
当時、野口ちゃんが結構落ち込んで、
私たちのクラスでは女子の中だけではあるけど
しばらく浮いた話は彼女に気を使って誰もしなかった。
グループ違いで詳しくは知らなかった紫と私、
……のはずなんだけど、
実はその時私は本山から話を聞かされていた。
『矢上さん、俺あいつと別れちゃった』
嘲笑していた顔が放って置けなくて、
バイト上がりまで待ってもらって
そこからすぐ近くの公園で、話を聞いて……。
「それで、恋愛相談されたって事?」
「うん」
当時を思い出しながら話すと、
リョウはなんだか気まずそうに頭をかいた。
「それってさ、過去の恋愛話聞いたって感じだよね。
男って馬鹿だからさー、
失恋したときに違う女の子に優しくされると
コロッといっちゃうんだよなー」
やけに力説してるので、
実体験?なんて思って聞いてると、
「まっ、俺はずっとナツ一筋だけどね!」
とはにかみ笑顔で私の顔をのぞいた。