【短】真夏のmystery kiss*+.
「多分まだまだサッカーばっかの俺だけど、
よかったら付き合ってほしい」
私は自分の膝を見ていてわからないけど、
本山はこっちを見ている。
そんな彼を直視できなくて、動けない。
「こうやって直接告る前にあんなことして悪かった。
俺あの日丁度部長に就任してさ。
あの時は俺が部長になったっていう書類を
生徒会に提出しなくちゃいけなかったんだ。
それで、その途中偶然
一人で寝てる矢上見つけてさ……。
……でもその後恥ずくなって、
廊下そそくさと歩いて
生徒会室向かったんだ」
緊張したように慎重に話す本山。
私は告白が恥ずかしくて、
そして本山に、き、キスされたなんてわかって。
彼の言葉が耳に残る。
そうか、紫が見た、
あの時教室の後ろから出てすぐに行っちゃったのって、
本山だったのか…………。
――――――ん?あれ?
『廊下をそそくさと歩いて生徒会室に向かった』?
そんな、それなら
その時紫とすれ違ってるはずなのに。
本山はそんなこと一言も言ってない。
何で……?