確信犯
「菓子折の件、なのですが」
「今、考えてるよ」
「当てが、あります。うちの、総務の一ノ瀬は、実家が和菓子屋です」
「一ノ瀬?」
奥平チーフは、匠に言い募る。
「小規模店らしいのですが、和三盆のチーズケーキを昼間、頂いて…」
言いながら、デジカメを見せる。
「黒糖の雨細工。淡い金平糖の装飾。重箱の包装。いかがでしょうか」
チーフの画面を、見詰める匠。
「――うん、頼みたい」
即決。
「数は200。こんな時間だが…」