確信犯

 この週末だけ


❇~❇~❇



匠が用意した私の送別会は。


金曜日の夜で。






白澤印刷の最寄り駅。


バスターミナルで待っていると、四駆の自動車が私の前に停まった。






運転席に居たのは。


もちろん、匠で。


『乗れよ』という仕草で促される。






助手席に収まったはいいけど。


どうにも、居心地が悪くて。






窓の外を流れていく景色ばかり、私は眺めていた。






匠はナビを聞きながら。


無言で、運転している。






――……いったい


私達はドコへ行くんだろう






ぼんやり、行き先に思いを馳せた。





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